虚像の君に恋をして

憂鬱な明日に魔法をかけて

Toxxxicの世界観に溺れた歌詞解釈

あなたじゃないとダメみたいって叫びたい

〜TravisJapanが生きたToxxxicの世界の考察〜

 

考察ブログ書きたい、と6月の東京ドーム公演帰りから言い続け、やっと7月19日に書き始めたのに、気付いたら放棄してたブログ。

相変わらずの今更感だけど、供養してあげないといつまでたってもあたしの中のToxxxicの亡霊が成仏してくれないので、季節が二つくらい過ぎようとしてるけど、書き上げます。

 だって~好きすぎるんだもん!!

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「ここから本編」ってところまでは、長すぎる前置きと、どんな曲かっていう簡単な考察してるだけなので読み飛ばして大丈夫です。

Toxxxicの演出の深読みは「ここから本編」以降から始まります。

 

________________  

【toxic [形]〈英語〉

1. 毒(素)の、毒(素)に起因する、中毒の、中毒を起こさせる、中毒性の

2. 薬品・ガスなどが)有毒の、毒性の

 

*toxic [名] :有毒化学薬品、毒物

 

Kis-My-Ft27thアルバムYummy!に収録されている藤ヶ谷太輔さんのソロ曲、『Toxxxic』

このタイトルは英語の「toxic」という単語に由来している。

「毒素」って言われてもイマイチピンと来ないのだが、toxicとpoisonの違いを考えるとわかりやすい。

poison=毒そのもの

toxic=毒性である、(生物学的に作られた)毒素

 知恵袋の回答をおかりすれば、フグの肝はあくまでもフグの肝でしかないからpoisonではなく、毒素を持つという意味のtoxicになるらしい。

つまり「毒素」 もしくは「中毒性」というタイトルを持った曲なわけだが、その名の通りこの曲のもたらした副作用がスゴい。ツアーオーラスから一週間経ってもふとした瞬間にライブ演出が脳裏を過ってToxxxicが見たい禁断症状が出てくるし、その病にかかってしまったのは私だけでは無さそうで、未だにTLでToxxxicの話題を見かける。

 

ツアーが始まる前、Toxxxicのライブ演出に関して藤ヶ谷さんは

デビュー当時を彷彿させるようなもの・

・「ファンの人は、エロい藤ヶ谷を見たいと思うよ」って軽くプレッシャーをかけられているので(笑)、20代とは違うエロさを出せたらなとは思っています。にじみ出る大人の色気ってやつをね(笑)

 ・まだ何も決まってないんだ。でもレコード会社さんのリサーチによると、俺には“エロい感じにしてほしい”っていう意見が多いらしくて…。曲自体はエロくないから、演出でそういう面を出していけたらと思っているよ。

(各言葉の出典が曖昧なまま書くのほんと良くないごめんなさい)

とか言ってたから始まる前から期待はしてたけど、彼いわく“エロくない”歌詞で、“エロい演出”として出た結論が、まさかこんな形になると思ってなかった。

 

まず、彼がいう“エロくない歌詞”のこの曲はどんなストーリーだったのだろうか?

 

What you ganna do for me?

訳:キミは俺に何をしてくれる?

 から始まるこの曲、正直最初はストーリーが見えなかったのだが、恋人に近づきすぎて踏み込みすぎて距離感が狂ってしまったカップルの、狂愛じみた共依存ソングだと思うとめちゃくちゃしっくりくる。

彼女の奥底をもっともっと知りたくて、その存在無しには生きられなくて全てを手に入れたくて、堕ちてゆく二人。

ようするに、恋人=クスリのような存在=Toxxxic

これがよく表れてるのは、

“駆け引きの味は 罪深き 甘い Toxxxic”

 

“刹那的に そう ぶつけあって そう 感じ合えれば イイ”

 依存しすぎてこれ以上はだめだ、お互いをダメにするってわかりながらも、一瞬の快楽のために堕ちていく二人の恋。

タイトルの“Toxxxic”はそんな意味が込められてるのかな?なんて、勝手に解釈した。

 

・・・って軽く歌詞考察しながら、薄々勘付いていたことの確信に触れてしまった。

あれ、歌詞考察する意味なくね????

そう…今回は藤ヶ谷さんの作詞ではないし、彼の言う“エロい演出”とこの歌詞の世界観は“Toxxxic”という単語では結び付けられるものの、ストーリーはほとんどリンクしていなかったのである。(って私は感じた)

 

ジャニーズが言う“エロい演出”って、例えばSTAGE魂の風磨さんのrougeとか、WESTivalの中間小瀧藤井でやってたInto Your Eyesとか、田中聖のMake U Wet?とか、あ、あと森田剛くんの官尾とか……パッと思いつくものが少ないけど、ベッドがあってダイレクトにその…表現してるイメージだった。Toxxxicもそんな感じの歌詞だし、セットのベッドの上で押し倒しちゃう系というか行為を致しちゃう系で乱れまくってるタイプの演出になるもんだと思ってた。

 

だから、Yummyでの演出に度肝を抜かれた。

映像の中で金髪の女性を押し倒すでもなく、セットにベッドがあるでもなく、血まみれのあんな方向性でエロが表現されるなんて想像もしてなかった。

いや、たしかに端的に言ってエロかった

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オーバーサイズなてろんとした白シャツ細い黒のリボンタイ、そして黒布に拘束された手首と黒布に覆い隠された目。オンナが本来生まれ持ったものの隠された性癖を呼び覚ますような姿での登場、エロでしかなかった。その上、後ろに用意されているのは血まみれの包帯のような衣装に身を包み、虚ろな目をしたTravisJapanの4人。全ての要素がエロかった

 

ただ、想像と期待をはるかに上回るこんな歪んだエロを突きつけられると、深読みせずにはいられない。

 

藤ヶ谷さんの中にあったストーリーは何??

そしてバックのTravisJapanに何を表現させようとしたの???

 

そう、本題はここ。

藤ヶ谷さんが描きたかった世界に足を踏み入れたいのはそうなんだけど、このブログをかく本来の目的はバックについてた川島如恵留七五三掛龍也中村海人、松倉海斗4人が何を表現しようとしてたのかを勝手に解釈して深読みしたいんです。

 

考えたところで、ブログ提出(誰も受け取ってくれない泣)したところで藤ヶ谷さんは答えを教えてくれないし、悪あがきだって知ってる。けど、想像が掻き立てられて溢れてるから。

 

正直、1回も藤ヶ谷さんのことちゃんと見れなかった。(あ、登場からうみちゃんに薬物飲ませるところは初見だけは藤ヶ谷さん見てた)気付いたら人形のような如恵留くんや感情に任せて踊るうみんちゅ目に飛び込んできて、乱れる七五三掛さんから目が離せなくて、何かに憑依されたまちゅくに息をすることすら忘れて。いつからこんなにTravisJapanに心奪われてたのだろうというくらい全公演でトラジャを見てたから、肝心の藤ヶ谷さんについては解釈も深読みも何も書けません、ごめんなさい。

これでもあたし、藤ヶ谷担してた過去あるんだけどね~。JC~JK時代にかけて、片っ端から持ち物をピンクに染めてローラーや稲妻モチーフをで身を固め(今考えればクソダサい上に、今も処分できずに手元にあって困ってる)、量産型とはちょっと違うけど玉森担とお揃いのミニドレスチックな参戦服にピンクの花冠と黄色の花冠で双子コーデ参戦とかしてわりとドップリ“藤ヶ谷担”をやってた(笑)

 

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ここから本編

以下、如恵留くんが、松倉くん、中村海人さん、七五三掛さんが何を表現しようとしたのか、3公演見た記憶を呼び起こしながら、あたしの勝手なフィルター越しに見えたストーリーの解釈と深読みを記録したブログです。

要するに私の想像の中のストーリー。


この曲は、藤ヶ谷さんが白衣にメガネをかけ、実験器具に囲まれた部屋で怪しげな試験管を手にしている映像から始まる(だった記憶だけど曖昧かも)

 

映像が終わり、曲の始まる前の暗転の中、重そうな体を引きずりながら出てきて死んだような体勢で板付きになるのが、川島、七五三掛、中村、松倉。

真っ暗闇の中登場した瞬間から、彼らは既にTravisJapanのメンバーではなく、通常の人間の状態を逸した、人間とは呼べないような変わり果てた姿をしていた。

 

そして、血まみれの包帯のような衣装に身を包んだ4体の人間が転がった舞台に、手首が拘束され目隠しされて出てくる藤ヶ谷さんはまさに気が狂った科学者。

きっとここの4人を壊したのは彼だし、彼自身が壊れてるのが一目でわかる。

 

壊れた科学者、壊された人間達……

 

そう。ここは、悪魔と手を結び人間の快楽を手に入れるためのクスリの開発に成功し、愚かな人間にクスリを提供すると同時に新たなクスリの開発を続ける科学者:フジガヤによって人体実験が施されている地下室。

 

これは、19世紀終わり頃の、欧州のとある国のお話。

 

【欲求】(名)

人間や動物が行動を起こすための「動機づけ」という抽象的な概念

不足を満たすために何らかの行動・手段を取ろうとし、それが満たされた時には『快』を感じる感覚のこと。

 

彼らが施されたクスリには、人間の7大欲求*1

「食欲」「睡眠欲」「色欲」「生存欲」「怠惰欲」「感楽欲」「承認欲」

のうち一つを満たし快楽へと導く作用があるが、その先に待っているのは快楽を得る対価として差し出した身体が七つの大罪にまつわる悪魔に乗っ取られる生き地獄。

 

七つの大罪

ラテン語: septem peccata mortalia、英: seven deadly sins

キリスト教会における、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すもの byグレゴリウス

英語やラテン語の直訳は「七つの死に至る罪」

それぞれの大罪には悪魔が宿っているとされている。

Pride   傲慢(高慢) :Lucifer(ルシファー)

Wrath  憤怒(激情) :Satan(サタン)

Envy    嫉妬(羨望) :Leviathanレヴィアタン

Sloth      怠惰(堕落): Belphegor(ベルフェゴール)

Greed    強欲(貪欲):Mammon(マモン)

Gluttony 暴食(大食) :Beelzebub(ベルゼブブ)

Lust       色欲(肉欲) :Asmodeus(アスモデウス

 フジガヤは、これらの悪魔たちとの契約をかわした。

それは、それぞれの悪魔に対価としての身代わりとして差し出すことで、フジガヤ自身の身体を犠牲にせずに7大欲求全てを満たせる、ということ。

ただし、その身代わりの絶対条件として提示されたのは、若くて美しい年頃の男の子である事だった。それに対しフジガヤは、悪魔の化身となったその男の子たちがフジガヤの実験の助手となる事を承諾するのであれば、という条件付きで、その契約が結ばれたのである。

 

こうして、フジガヤのクスリの開発と身代わり探しが始まったのである。

 

Luciferへの対価〉

裕福な貴族階級に生まれた如恵留は、経済力や肩書きだけでなく容姿も格別美しかった。いつも柔らかな笑顔で誰にでも優しく頭も良いノエルは、周囲から愛され羨望の眼差しを向けられる対象だった。欠点も見当たらず何不自由なく幸せに暮らしているように見える彼だったが、誰にも言えずに一人で抱える彼の秘密は家庭に居場所が無いこと。両親は子供に恵まれず、苦肉の策で母親が年下の美しい愛人との間に作ったノエルをその家の長男として育てる事になったのだ。ノエルが格別美しい容姿をしているそのためであり、父親はノエルが赤ん坊の頃から彼を目に入れる事すら拒んできた。ただ、父親からは一切の愛情が受けられなかったが、母親からは愛情を受けて育ったため、寂しさは感じながらも優しい子に成長したのである。

父親からは拒絶されても、母や周囲からは愛されながら過ごす日常が壊れたのは、ノエルが10歳になった時だった。ついに両親とっての初の子供、つまりノエルにとっては弟に当たる男の子が生まれたのである。今までの母親の優しい態度は一変、他人のように如恵留に冷たくなり、両親の目には弟しか映らなくなった。

いつも誰に対しても『愛』をもって接する、愛に溢れた優しい心を持つノエルは、一切の愛の無い家庭での生活が耐えられずに心を病んでしまう。優しすぎるかれは決して両親や弟を責めることはなく、自分に欠点があるからだ、と自分を責めた。どうしたら父親に振り向いてもらえるか、どうしたらまあ母親から愛されるか……両親から愛されたい、認めてほしい……

そんなノエルの満たされない『承認欲』に目をつけたフジガヤは

「これを飲めば昔みたいに母親からの寵愛を受けられるし、父と弟からも愛されるようになるよ」

という謳い文句と共にクスリを渡した。

用心深く頭の良いノエルが、こんな怪しげな人物からのクスリなど受け取るなど通常ならありえない。しかし、この日は誰にも祝われることのなかった彼の誕生日だった。誕生日に渡された“プレゼント”。しかも、それは今一番手に入れたい家族からの“愛情”が手に入るというクスリ…もしかしてこれは神様からのプレゼントなのではないか…そんな考えが過ったノエルは、フジガヤの手からクスリの瓶を受け取り、その場で一気に飲み干した。

その瞬間襲ってきた快楽。

家族をはじめ、全ての人から愛され、讃えられ、必要とされ、尊敬されているという感覚は、ノエルがずっと追い求めていた幸せを手にした瞬間だった。

同時に、彼の身体はもはや彼のものでは無くなり、「光をもたらす者」という意味をもつ高慢の悪魔・堕天使ルシファーに魂ごと受け渡した瞬間でもあった。

心優しい人格者の如恵留はフジガヤによって殺されたのである。

今はただ、“如恵留”という美しい青年の身体を借りた、ルシファーの化身として操り人形のように、フジガヤが実験を繰り返す地下室で48時間で切れるクスリだけを求めて、ルシファーにもフジガヤにも従順な助手として暮らしている。

 

Belphegorへの対価

心優しい父親と貧しい中も温かで幸せな日常を過ごしていた海人のもとに、16歳の誕生日に、死んだ母親からの手紙が届いた。

その内容は、母親は身体が弱く、カイトを生み終えた時にはこの世にはいないだろうこと。実は夫、カイトの父親も持病があり、遺伝的に寿命が40歳前後であること。つまりカイトが16歳を迎えた時は、きっと父親の死が迫っているであろうこと。親戚も兄弟もいないカイトは、もし父が死んだらその先は一人で生きていかなくてはいけないこと。この手紙の存在は父には知らせておらず、近くの教会の神父様に託し、カイトの16歳の誕生日に渡すよう伝えてあること。そして困ったら神父を頼るように…と。

大人への一歩の門出となる16歳の誕生日、幸せな一日になるはずだったのに、部屋で静かに手紙を読み終えたカイトの未来は一気に真っ暗になり、絶望の淵に立たされた。カイトは、母が病気で死んだことは知っていたが、自分を産み落とした時に命を引き換えたなんて知らなかった。父親に持病があることも、寿命が迫っていることも知らなかった。泣きながら手紙を預かっていた神父様の元へと向かうと、全て事実だと告げられた。しかも、お父さんの容態はかなり悪化しており、いつ死んでもおかしくない状態にあると。泣きじゃくるカイトに神父様は、今のお父さんとの生活を悔いなく大切に過ごしなさい、そして勉強も今以上に頑張り、一人でも生きれるようにしなさい、との声をかけた。

カイトは学校でも頭の良い方ではなく、むしろ勉強は苦手だった。しかし、母親からの遺言と神父様のアドバイスを受け、父親との時間を大切にしながらも猛勉強するようになり、気づくと下から数えたほうが早かった成績は学内で片手に入るほどの順位にまでなった。幸いにも父親の命も何とか長らえていて、勉強に励みつつも昔と変わらない質素で温かな生活を送っていた。

ついに高校の卒業式を迎えたカイトは、学年1位を収めた成績と卒業証書を抱えて父親の喜ぶ顔を思い浮かべながら帰宅したのだが、残酷にも父がそれを見ることは無かった。すでに他界していたのである。

 高校卒業と共に頑張る対象であった勉強がなくなり、頑張る目的であった父をも失ったカイトには、悲しみと絶望と空虚と父親が貯めていた少しの遺産だけが残った。それまで、父親と勉強でいっぱいいっぱいでお酒を飲んだことも女の子と遊んだこともなく真面目に生きてきたカイトだったが、 悲しみをかき消すかのように、絶望を払拭するかのように、そして空虚を穴埋めするかのように、カイトは夜の街をうろつくようになった。そこでカイトは自分のルックスの良さに気が付き、毎晩のように飲んでは女を抱き捨てる、そんな堕落した生活をするようになった。

ある晩、お金が底を尽きて初めて自分がしていた事の愚かさに気づかされた。しかし、一度アルコールと女に憑りつかれたカイトは以前のように真面目な生活に戻る選択肢は無く、酒と女のためのお金をなんとか楽をして稼ぐ方法はないか、と考えていた。

そんなカイトの『怠惰欲』に目を付けたのがフジガヤだった。

茫然と酒屋の前の道路に座り込むカイトに近づき、「僕の実験の助手にならない?」と話を持ち掛けた。

「僕のもとに来れば、一生お金に困ることなく生活できるよ。そして、酒よりも女よりも、もっとイイものあげる」

その言葉は、今のカイトには目が眩むほどの甘い囁きで、一つ返事でYESと言った。

実験室に連れてこられたカイトが目隠しをされて飲まされたのは「怠惰欲」を満たすクスリ。今まで味わったことのない快楽で、一瞬でクスリの虜になった。そして、同時に対価として堕落の悪魔 ベルフェゴールに魂ごと引き渡すこととなった。ベルフェゴールの化身として、快楽だけを求めて、地下室の中に住み始めたのである。

 

Asmodeusへの対価

この町には年に一度、町中のみんなが仮面をつけて着飾る祝日がある。ただし、このお祭りのメインイベントである夜の仮面舞踏会に参加できるのは、18歳以上の未婚の男女のみ。

今日はその祝日なのだが、先月18歳を迎えたばかりの龍也は心底浮かれていた。もともとお祭りなど楽しいイベントが大好きなリュウヤだったが、今日はやっと念願の仮面舞踏会に参加できるからだ。誕生日プレゼントにもらった衣装と仮面を身に付け、前髪の様子を気にしては、朝から鏡の前を行ったり来たりしている。そんな様子を見て、両親は微笑ましく笑っていたが、3つ上のリュウヤの姉だけはなんだか胸騒ぎがして、出かけ際に「浮かれすぎないようにね。」と忠告をした。「あ、あと相手の左手の薬指にリングがないかだけは確認し忘れないようにね。」姉のその言葉を聞いた母と父は不思議に思った。「みこん婚の男女しか参加できないんじゃないの?」「ルール上はね。けど、仮面で顔を隠してるでしょ?だから、たまに結婚にうんざりしてる既婚女性が混ざり込んでることがあるから…」その言葉を聞いた両親は身震いした。「既婚女性と関係を持った男性は町からの追放」それが、この町の法律だ。「リュウヤ、はーいなんて元気に返事して出ていったたけど、本当に大丈夫かしら…」

“オンナの勘”というものは良くも悪くも当たってしまうようで、リュウヤがこの仮面舞踏会で恋に落ちた女性は8歳年上の人妻だった。

慣れないシャンパンでクラクラする酔いを醒まそうと出た中庭で出会った、上品なピンクのドレスを着て、奇妙な程に赤い月を見上げるその女性に一目で恋に落ちたのだ。仮面舞踏会で仮面をつけていない顔をみせるのも相手の仮面を外すのもご法度、無礼に当たること。そうわかっていても、仮面から覗く瞳があまりに綺麗で、その顔の全貌が見たくて、リュウヤは本能的に相手の仮面に手をかけ、どちらからともなく口づけを交わした。

初めての出来事で舞い上がり盲目的に彼女に恋に落ちたリュウヤが、彼女が人妻であることを知ったのは、密会を重ねた3回目の夜の事だった。隣で眠る彼女の左手の薬指が月明かりに照らされてシルバーに光り、この町の法律を思い出して背筋がぞっとした。今、この瞬間も自分は罪を犯している。誰かにバレる前に、手遅れになる前に、一刻も早く今いる彼女の別邸から立ち去るべきだし、彼女との出会いは無かったことにするべきだ。頭ではそうわかっているのに、繋いだ右手を解くことができなくて、彼女を手離すことはできなかった。

偽りの愛でもいい、ひと時の夢でもいいからと、彼女が付き続ける嘘に目をつぶり、お互いにそのウソに気づかないフリをして逢瀬を重ね、一瞬の快楽を求めた。

しかしその幸せはもちろん長続きせず、彼女の夫に不倫がバレ、リュウヤには法律通りの罰として、この町からの永久追放が言い渡された。

リュウヤにとっての苦しみは、この町からの追放よりも、家族や友人と会えなくなるよりも、彼女と会えなくなることだった。周囲からは若気の至りだと、この町を出ても女性なんていくらでもいると言われたが、彼女の存在に溺れきっていたリュウヤの耳に、そんな言葉は届かなかった。

大袈裟ではなく彼女なしの人生なんていらない。

町を出る最後の日、彼女と出会ったお城の前で自らの命を断とう。そう決断したリュウヤの前に現れたのが、『色欲』のクスリを手にしたフジガヤだった。

心も身体も彼女に染められたリュウヤの欲求を満たすクスリ。

「このクスリを飲むとね、彼女と過ごした時間が蘇るよ」

 誰が聞いてもわかるような見え透いた嘘が、盲目的に彼女を愛してしまったリュウヤには見抜けなかった。彼女が手に入らなくても、彼女を感じられるなら、、、

その思いで一気に真っ赤な液体を流し込んだ瞬間、彼女と過ごした時間のような、甘ったるい快楽が押し寄せた。そして彼は同時に、色欲の悪魔 アスモデウスに魂ごと引き渡し、アスモデウスの化身として生涯フジガヤの助手をしつつ、彼女と過ごした甘い快楽を追い、陶酔しながら生きている。

 

 Satanへの対価

海斗はいつもより早く目が覚めた。空は快晴で、門出にピッタリの天気だった。カーテンを開けながら、となりでまだぐっすりと眠っている双子の弟を起こす。「ほらゲンタ、良い天気だよ!」

幼い頃に両親を亡くして教会で育ったカイトとゲンタは今日、18歳の誕生日を迎える。そしてこの国の成人年齢である18歳になるということは大人の扱いになるため、今日で教会の孤児院も出ていかなくてはならない。『ねえカイト、緊張してるの?』「ゲンタは不安じゃないの?」『わくわくしてるよ!だって今日は始まりの日だよ』そう言って一足先に階段を駆け下りたゲンタを見て、どうして双子なのにこうも性格が違うのかなぁと首をかしげる。カイトは正直、不安に押しつぶされそうだ。守られていた世界から、危険だらけの世界に放り込まれるのだ。できる事ならずっと子供でいたし、教会の中に居たいと思っていた。『カイト~何してるの?朝ご飯の時間だよ~!』階段の下から、今の自分とは正反対のテンションのゲンタの能天気な声が聞こえてきて、思わず顔が綻んだ。ゲンタがあんなにワクワクしてるんだもん、外の世界も案外悪くないかもしれない。何よりゲンタと一緒ならきっと大丈夫だ。「はーい!今行く!」そう返事をしてカイトも階段を駆け下りた。

窓に打ち付ける激しい雨と雷の音で目が覚めた。

「・・・・・・夢、か。」

真っ暗な部屋と、割れそうな頭痛でカイトは現実に引き戻される。世の中に夢を抱き、希望に溢れていたあの頃が一番幸せだったかもしれない。もういっそ、夢から覚めたくなかったな、、、なんて思う。教会を出てから明日で6年になる。つまり、明日がカイトとゲンタの24歳の誕生日だ。そして…ゲンタの結婚式の日でもある。

教会を出た後二人はそれぞれに働き、質素ながらも充実して幸せな毎日を送っていた。派手な贅沢はないけど、たまに二人で美味しいものを食べたり旅行に行ったりするのが楽しみで、この小さな幸せがずっと続けばいいな、と思っていた。そのわずかな幸せすら壊したのは、去年の冬にこの町で大流行した疫病だった。もともと身体の強くなかったカイトは原因不明の疫病にかかり、働くことはおろか、身体の自由すらきかなくなってしまった。薬も無く完治は不可能、余命もわからないがいつ死ぬかもわからないい。感染の危険があるとして、ゲンタと暮らすことも禁止された。それでもゲンタは毎日仕事終わりにカイトのもとによってご飯を作り、その日の出来事を事細かに話してくれる。ゲンタは相変わらず明るく強かった。カイトの前でゲンタが涙を見せたのは、一度だけ。カイトの病気を知ったその日だけだった。『どうしてカイトなんだよ』と、見せた悔し涙だけだった。それ以来はいつも通り、毎日楽しそうに接してくれるゲンタの姿にカイトは救われていた。そんなある日、仕事終わりのゲンタは一人のすごく綺麗な女性を連れて家に来た。『カイト、紹介したい人がいるんだ。いつかこの人と結婚しようと思ってる。』年齢差は無いくせに、幼いな、と思っていた双子の弟が知らない大人に見えた。祝福の念と同時に、弟が遠くにいってしまいそうな何とも言えない切なさがこみ上げてきたが、ゲンタと彼女と一緒に夕食を食べるうちに、この人にならゲンタを任せられるな、と思えた。いつ死ぬかもわからない自分には叶えられない結婚という夢を、ゲンタが叶えてくれる。そう思ったら嬉しくて、普段の慎重なカイトらしくない提案をした。「ねえ、もし二人が本当に愛し合ってるなら、いつかじゃなくてすぐに結婚式をあげてよ。ゲンタの結婚式、ちゃんと見届けたい。」唐突な提案に二人はびっくりしたが、カイトの願いなら、と一週間後のゲンタとカイトの誕生日に挙式することになったのである。

一週間前の出来事を思い出しながら、自分らしくない提案をしたなぁとベッドの中で静かに振り返っていたが、そうするしかなかったのである。カイトは様態は悪化しており先は長くない事を感じていたので、“いつか”では遅いことが分かっていたからだ。けど……明日でも遅かったかもしれない。外の嵐が強まったのは、まるで自分の様態の悪化を示しているようだとすら思う。

カイトはワガママを言ったことも、大人を困らせたことも無かった。自分が病気にかかっても、誰かに文句を言うことも、神様を恨んだことも無かった。ただ、今回ばかりは譲れない。どうしても24歳を迎えなくてはいけない。ゲンタにお誕生日おめでとう、と言い、結婚式を見届けて、二人の幸せを祈らなければならない。あともう1日だけ…もう一日だけでいいんだ。それ以上は何も望まない。神様はそれすら許してくれないの?

そう思いながらも意識が遠のいてくる。さっき、18歳の誕生日の幸せな夢を見たのは、最期のプレゼントだったのかな。けど、生きたい、1日だけ生きたい。せめて最期にゲンタの顔をみたい。

そんなカイトの強い『生存欲』の気配をを嗅ぎ取ったのがフジガヤだった。

真っ暗で空っぽなカイトの家を訪れ、枕元に立ってクスリを差し出した。

 「生きたいんでしょ?これ飲めば永遠の命が手にはいるよ」

如何にも怪しいフジガヤの誘いを、朦朧とする意識の中拒絶した。こんなヤツに騙されるくらいなら運命に従って死ぬ方がまし。カイトの良心がそう叫んだ。

「今カイトくんが死んだら、弟くんきっと幸せになれないよ」

 フジガヤの一言に、カイトの良心は揺らいだ。

ゲンタとサヨナラがしたい。挨拶もせずに今一人で死んでしまったら、ゲンタはきっと一生幸せになれないから。それだけは困る。自分の命は奪われてもゲンタの幸せまでは奪いたくない。

「そのクスリの対価は何ですか、タダじゃないでしょ。あげられるものなんてないけど」

「キミは賢いね。このクスリをのんだら、キミの身体は悪魔に引き渡されて、悪魔の化身として不死身の命を得られるよ。ただ…可哀想だから一日だけ身体を悪魔に引き渡すまで猶予をあげる。このクスリを飲んだら、明日の弟の結婚式が終わるまではカイトくんのままでいさせてあげるけど、24時間後からはその身体は僕のモノだから。」

 天使のようなカイトが、悪魔の化身となる。考えただけでも恐ろしいし、自分がしようとしている事はそれだけの犠牲が必要であるほど重大なことなんだと思うとぞっとした。ただ、カイトとしての願いは明日の結婚式に出たい、それだけだ。

「クスリ、ください。明日さえ終わればあなたに従います。」

こうしてカイトはクスリを飲み干し、結婚式を見届けたのち、魂を憤怒の悪魔 サタン に引き渡した。

ただ、クスリを飲んでから悪魔に乗っ取られるまでの間に24時間の猶予時間があったため、サタンに身体を引き渡してからもカイトとしての記憶がわずかに残っており、カイトと悪魔の狭間で怒りと苦しみもがき続けている

 

 

フジガヤがこれまでに見つけた身代わりは4人。

あと3人の身代わり探しを、今日もどこかで続けているだろう。

 

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やっっっっっっっば!!!!!気持ち悪い。

はあ!何書いてるんだろう!!!!なんかもう夢小説(?)の域!?

自分でもよく分からない、ただ、科学者フジガヤの後ろで踊り狂う彼らを見てたら、何に憑りつかれてるんだろう…?悪魔????って思い始めて、壮大なストーリーが出来上がりました…

って勝手に考えてたら、ストーリーを創作してしまったんです、すみません。

解釈違う!!!!とか刺さないでください、あくまでもこれは全部あたしのフィルター越しの、妄想の中のお話だから…

 

こだわりとしては、如恵留くんは天使の中で最も美しくてラテン語で「明けの明星」を指し、光をもたらす者という意味をもってたんだけど神に逆らって堕天使となったルシファーに憑りつかれててほしかった。

うみちゃんは最初の試験管があまりにえっちすぎて、クズ男として酒と女に溺れて欲しかった。

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七五三掛さんは、踊ってる表情が恍惚としすぎてあまりに官能的に見えたので、飲んでるクスリは絶対に媚薬だし、そういう快楽に溺れててほしくてこんな設定にしましたごめんなさい。そして物語の裏設定としては、藤ヶ谷ソロ曲4部作ver*2ロミオとジュリエット、って感じですね。不倫相手との報われない恋。

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で、まちゅくは憑依の中に自我との葛藤が見えた気がしたのと、あくまでも真っ直ぐで誠実なキャラクターにしたかったのでげんげんを勝手に友情出演させていただきました、巻き込んでごめんなさい。あと、結婚式のために生き長らえたい、というのは太宰治走れメロスをちょっと意識したのはある。

 

まあ、Toxxxicが好きすぎて拗らせました、ってだけ!!!!!!中二病全開でごめんなさいほんとに!!!!!ひかないで!!!!

 

とりあえず、マルチアングルでも見ていってくださいな・・・円盤化待ち遠しいね!

 

 

1万5千字弱、お付き合いくださりありがとうございました。

まあ!!ブログでこれ言うのも恒例になってきましたが…

 

別にあたし、TravisJapan担じゃないんですけどね!!!!!笑

*1:所説ありすぎるものをネットから都合よく拾ってきただけで、知識とかないです、ほんと適当

*2:think u x/Love meee/xLunaSx/LU4Eという4作は不倫相手との恋を歌った曲で全作で一つのストーリーと言われてます