虚像の君に恋をして

憂鬱な明日に魔法をかけて

アイドルが『アイドルを辞める事』が意味すること

2年前の私の、日記というか手記というかの文字起こし

 

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2015.11.25(Wed)3時間目

気持ちがぐちゃぐちゃで、けど行き場もないから全部ここに吐き出しておこうかな、未来の私が向き合ってくれるかも知れないから

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2ヶ月ほど前部屋の片付けをしていたら、タイトルのない、けどとても見覚えのあるcampusノートが出てきた。

 

ジャニヲタを始めてかれこれ10年弱経つが、人との繋がりにはあまり興味がないし私生活等は友人にでさえ秘密主義を取っていた私はSNSに疎くて、このアカウントとブログを開設してからはまだ2年も経ってない。

けれど物を書きたい性分は昔から変わってないらしくて、はてなブログを投稿する代わりにひたすらそのノートに誰に読まれない自己満足の『ブログ』書きためていた。

誰にも読まれないのに(強いて挙げるなら同じくジャニヲタな姉が唯一の読者だった)文体は一人前に今のブログと全く変わらなくて思わず笑いながら読んでいたのだけど、あるページに辿り着いた時息を飲んだ。

そう、田口のKAT-TUN脱退を綴った記事だった。あのベストアーティスト翌日、気持ちが抱えきれずに、授業中も聞かずに書き殴ったブログだった。

あれから2年が経ち、彼を取り巻く状況もだいぶ変化したし、もともと誰に向けて書いた文章でもないので整ってないが、記録として当時の文章をそのまま残しておこうと思う。

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 ・11月24日(Tue) 20:30頃

思い返せば出てきた時から空気は異様だった。ただ、あの時はそんなこと少しも気にかけなくてただ彼らの作り物のような美しさに騒いでいたのだけど、それは束の間で。彼がマイクを構えた瞬間ダメ…!って思った、直感で。けど、自宅のリビングで一人でテレビを眺めるだけの私の声は彼に届く訳もなく、彼が話し始めた。

 

『私、田口淳之介は来年2016年の春を持ってKAT-TUNを離れ、ジャニーズ事務所を退所いたします。』

 

色んなグループの担当を集めたリア友とのLINEグループで各々に騒ぎながらリアタイしていたのだけど、騒いでいた私の手は止まり思考も停止した。私の世界は時を止めたのにテレビの中では淡々と彼が話を進めていて。(あの時何を話していたのかは1日経って観た時にやっと認識した)そして、小刻みに震えながら亀梨さんが話している画が流れ…けどそんな言葉は何も入ってこなくて、ただ先程の「KAT-TUNを離れ」という言葉だけが脳裏をぐるぐるしていた。信じられなくて、理解できなくて、夢だと思いたくて、思わず一度テレビの電源落とした。今のは間違いで、勝手に私が見てる悪夢で現実じゃない。真剣にそう思ったのに怖くてテレビがつけられなくて。けど、ふと視線を落とした先のケータイが全て現実であるこもを物語っていた。思考停止していた時間はとてもとても長い時間が私の中に流れていたが、わずか1分程度しか経ってなかったらしいのだけど、その時間も動き続けていたグループLINEの通知は40を超えていて、「は?」「え?」「どういうこと?」という困惑であふれていた。それを見て一気に現実に引き戻されたのだけど、思考が再稼働する前に動き始めた感情は制御不能で気づいたら号泣していた。その自分の泣き声を聞いて少し冷静になってから全てをやっと理解した。複雑なことは何もなくて、「田口がKAT-TUNを抜けジャニーズをやめる」つまり「目の前から消える」というそれだけのことだった。逆にそれだけのことが起きていた。

 

3週間くらい前からずっと楽しみにしてた番組だったけどラブソングメドレーなんて見たいとも思えなくて消したテレビの前でひたすらぼーっとしていた。まだ帰ってきてなかった姉に「田口KAT-TUN脱退するって」ってLINE入れるだけ入れて何の返信もせず帰宅を待つこともなく放心状態でお風呂に入ってそのまま寝た。

 

・11月25日(Wed)朝

はぁ目腫れちゃった…と思いながら登校して、教室に入って昨日の出来事を明確に把握した。6人時代から形を変えてもずっと亀梨担をしてきたhyphenのクラスメイトが号泣していて友達に慰められてる姿が目に飛びこんできたからだ。

私は仁脱退と同時にKAT-TUNから離れたし、身近な仲良いジャニヲタにhyphenは居なかったからジャニヲタとして悲しんでても当事者として直接傷ついてる子を見たのその子が初めてだった。彼女を目にしたとき、正直KAT-TUNを手放した私が悲しいなんて言っちゃいけない気がして、今まで支えてきたわけじゃないのにそんな資格無い気がして、突然冷静になった。

冷静になった私の耳に飛び込んできたのは、その亀梨担を慰めるジャニヲタに紛れていた非ヲタが彼女に投げかけた一言だった。

 

「けどさ、田口くん死んじゃうわけじゃないんだよ?同じ世界に生きてるじゃん!」

 

…たしかに。確かにそうだ。

何でこんなに落ち込むんだろうって思った。

『何故、アイドル一人の脱退に私が、世間がここまで振り回されてるんだろう?』

冷静になった私は今日1日ずっとそれを考えてるし、この日記?を書いてる所以も、その答えを残しておこうと思ったことがきっかけで書き始めた。

 

そこでたどり着いた答えがある。それは

「田口くんは死んでしまう」からだ。

「アイドルがアイドルをやめる」というのは死んでしまうことと同じなんだ。

 

よくよく考えれば、正直私は田口くんのことをそこまでよく知らない。仁を好きになった頃は思い返せばオンリー担に近いくらい仁にしか興味が無かった気がするし、仁脱退後のKAT-TUNはほとんど追ってなかったが5人になったKAT-TUNの中で追っていたのはたっちゃんだったからだ。けど、それでも歴代誌面で語られてきた多くの情報によって、好きな食べ物とか休日の過ごし方とか彼の“基本情報”は得ていたし、彼を知っているつもりになっていた。

しかしどんなに彼を好きだとしてもそれは変わらなくて。「アイドル」と「ファン」を繋いでいるのは誌面やTV画面とたまに現場の空間のみ。つまり、「アイドル」が「アイドル」でなくなった瞬間その彼と繋がる手段は断たれてしまう。

「アイドルは虚像だ」っていう三宅くんの言葉がこんなにも感じられたのは初めてだった。

私達が見てる「田口淳之介」は田口くんという一人の人間でありながら、あくまでも“アイドル”という鎧をまとった虚像の姿でしかなくて、彼がその鎧を脱いだ瞬間私達が見ていた“アイドル 田口淳之介”は死んでしまうのだ。

 

つまり、アイドルが『アイドルを辞める』というのは一人の人格が“死ぬ”のと同じだと思う。

 

余命宣告を受けた今、私たちは、というより彼のファンはどのような気持ちで彼のアイドル人生を見届けるのだろうか・・・?

私はこの件に関して当事者ではないからこんなこと言う資格ないかもれないけど、どんな形であれ、田口くんがファンと繋がっている未来が訪れますように。

 

・・・これを読み返している頃にはKAT‐TUNだった人たちもKAT‐TUNも、そしてhyphenさんも笑えてるといいな。

 

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〈2017.11.28〉 2年前の私へ。

今、KAT‐TUN は充電期間にありますが、3人はここに舞台や映画に出演して大活躍です。田口くんはモデル兼アーティストとしてファッションショーや学園祭に出演していてファンと繋がり続けてます。今の私も相変わらずもうKAT‐TUNの当事者ではないので無責任なことしか言えないけど、安心してください。多分、それぞれがそれぞれの場所で笑えてるから。

ところで今夜、ベストアーティストがあります。そう、あの赤のロングコートが過るベスアね(笑)KAT‐TUNは充電中なので出ませんが、そこに亀梨さんが「亀と山P」として、中丸くんがSixTONESSnowManと共に出演します(あなたが昔一時期好きで、「ろくーんみが強すぎる、ヤバい堕ちる」ってあがいてたSixTONESと、キスマイ魂でZigZagLove歌ってたSnowManです。)

2年前だと、やっとろくーん曲聞いても泣かずにいられるようになったころかな?笑けど、びっくりだよね、まさか一般の歌番組でRescueとリアフェやるんだから。世の中はそのくらい進みました。Mステとかで過去映像流れてもモザイクかけられたり6人時代の話は暗黙の了解で禁止されてた、ろくーんが抹消されかけた時期なんて嘘見たいだよ。中丸のバックで聖の弟が地上波で歌う未来がきたんだもん、すごいね。

今の私が望むのは、バラバラの道を歩んだ6人が、1度きりで良いからいつかまた6人揃った姿を見せてくれる未来です。贅沢かな?笑

けど、言霊信じてるので。